ほら、ここにいるよ。
生きている。
そういえば彼は慌てたようにセトの名前を呼んだ。
そんな話をセトにしたって分からないでしょう。
ぴしゃりと言い返せば今度はアイシスを呼ぶ。
それが正しいと言えば正しいのだけども。
「どうかしましたか?」
慌てて出てくるものだから今度は私が慌てて何でもない、と首を振ると今度はアテムがそれを否定する。
そこに今度はある意味被害者のセトが出てきて。
アテムが大きな声でセトを呼ぶものだから神官皆集まってきて。
さらに皆に言いづらくなってしまった。
だからこの場所を選んだのにそれは意味を成さないものとなってしまった。
「何でもないよ」
「何でもなくないでしょう。
王があれだけ大声で、しかも大慌てで私を呼んだんですから」
私の言い訳はすっぱりとセトによって切り捨てられてしまった。
本当にこのひとは神官なんだろうか。
神官、というよりは王に近い性格だし・・・。
それになにより私は彼に嫌われている気がする。
「と、とにかく冷静になるんだ」
「今冷静にならなくちゃいけないのは貴方の方ね」
「これからは大人しくしててくれ」
「少し運動しなくちゃ逆効果なのよ」
「とにかく」
「少しは落ち着きなさい!!」
私の怒鳴り声に目の前のアテムも神官達も驚いたような表情で固まった。
きっと王である彼をこうやって宥めれるのも私だけなのだろう。
なんたって彼は一国の王なのだから。
師について王宮へ来ていたのかマナがぽかんとした表情で
「えーと、まさか」
「そのまさかね」
腹の中
前から書いてみたかったご懐妊話。
セトが主人公にきつい態度を取るのは気のせいです。(きっと社長を意識しすぎたせい)