風に混じって、ジャリ、と足音が聞こえた。

振り返るとそこには待ちわびた相手がいた。








「よく、逃げなかったわね」

「某は逃げも隠れもしない」








一番、そなたが分かっているのではないか。
幸村はそう、小さく呟いた。






「・・・そうだった、ね」




そう言って武器を構える。
すると彼も黙って戦いの体制を取った。











風になびく、あの赤い鉢巻は私が、ついこないだ洗ったものだ。
同じ、仲間として、


そして彼のためと、一生懸命洗ったものだ。




なのに、私は失敗してしまった。








伊達軍の忍びだと、ばれてしまうなんて。
しかも普通に密偵ならいいものの真田幸村の暗殺で潜り込んでいたなんて。









この幸せが、一生続くと思っていたのに。










「真田幸村!政宗様のためお命いただきつかまつる!」















振り上げた刀はいつもより重く。






どうせなら、私も幸村もこのまま何も感じず死ねたらば。

そう、願った。






相打ち覚悟

次の瞬間赤が視界を舞うけど。
結局は誰のものかも分からずに私の記憶は海へと還る。