ガタンゴトン



小さく




小さく電車に。





















「ねぇ、ブン太。
 どこまで行くの?」
「行けるところまで」







は明日、遠くの町へと行ってしまう。
離れたくない一心で学校帰りに家とは別方向の電車に乗り込んだ。
疑問を胸に抱くを無理矢理連れて。







さっきからポケットの中でバイブが鳴っているがそんなのは気にしない。
どうせ真田だ。
部活をサボったことを怒っているんだ。


でも、今はそんなことすらどうでもいい





夕日が電車の中を赤く照らした。



離れたくない。
こんなに好きなのに。

隣に座っているの顔を見ずに、そして力強く手を握った。
いつもは吃驚して顔を上げるも今日は俯いている。
同じ気持ちなのか、と期待が胸をよぎる。










何かを、こんなに怨みたくなったのは初めてだと思う。
なんで、俺たちを引き離すのか。


引き離されなければならないのか。







何も会話のない二人の間にはただ、小さく電車の音が響く。
乗客は俺ら以外は一人もいない。
まるで二人きりの世界だ。



そうであればいい。









「・・・明日だね」
「あぁ」
「手紙、書くね」
「電話もしろよ」
「うん」




あぁ、こんなにも愛しいのに。
繋いだ手が、一段と強くなった。









「うん?」
「18になったら結婚しよう」
「・・・うん」
「迎えに行くから。
 がどこにいても見つけるから」






ぎゅ、とまた。








「・・・絶対?」
「ああ。約束する」
「うん、待ってる」







見つめあって。
繋いだ手が熱くて。





重なった唇が名残惜しそうに離れた。







でも





どこか行ってしまう君へ
このまま君を遠くへ攫えたら