「君は本当に僕の言うことを聞かないね」
困ったように半兵衛はため息をついた。
「しっかり命令を聞いてればこんな怪我、しなくてよかったのに」
「そういうわけにはいけません。
彼も、仲間ですから」
は首を振った。
バカだと言いそうになった口をしっかり閉じて半兵衛はへと包帯を巻いていく。
「やっぱり人が死ぬのは嫌かい?」
「はい。だから助けちゃったんです。
命令を無視して勝手な行動を取ってすみませんでした!」
は頭を深く下げこんだ。
今で言う土下座、と言うヤツだ。
こんなに謝るくらいならしなきゃいいのに。
彼女が僕の命令に背くことは慰安に始まったことではない。
ただ、それは戦になれば別の話。
初めは女性である彼女を戦場に放り出すのは気が引けたが彼女が自ら望んだことだった。
あと、止めた僕の話を聞かなかったのもあれが初めてだった気もする。
その代わり、戦場での命令は今まで必ずといっていいほど聞いてきた。
なのに今日の命令は尽く無視された。
「退け」と言うのに退きもせず、彼女は武器を振るった。
それは怪我をした仲間のため。
それだけのために彼女は命令に背いた。
「君は本当に馬鹿だね」
「う・・・言い返す言葉もございません」
しゅん、とうなだれるを見て、半兵衛は口を開いた。
「、戦にはもう出ないでくれ」
「な、なんでですか!?
私、もしかして邪魔ですか!?
それとも今回の「!」
あぁ、本当に人の話を聞かない子だ。
「僕は邪魔だと、思ったことはない。
いや、反対、かな」
そう言ってやるとは「え」と顔を上げた。
こてん、と半兵衛の頭はの肩へと置かれた。
「大切、なんだ。
失いたくないと思ってる」
「半兵衛様・・・?」
「君が、必要なんだ」
笑ってください。こんな僕を
この戦が終わらなくとも。
もし、僕が明日、消えてしまっても。