恋は人をこうも変えるんだ。

我が妹、は昔から手に負えない子供だった。

まぁ、俺やマサが原因のひとつ、と言ってもおかしくはないのだが。









親父も母さんも呆れて、最後には何も言わなかった。



アイツのことを”普通の一人の女の子”として見てくれる他人(ヤツ)は昔から一人としていなかった。



小学校のときは公立の学校に通っていたをスパルタなうちの方針で育てたため、同い年の子達からウケは悪かった。

出来る子供、というのはおもしろくない。


子供といえど、それを妬む者はいる。






それからアイツは人を避け、


関わらないで生きてきた。

傷つくのが怖くて恐くてしょうがなかったんだろう。









でも、今のアイツは。
アイツの世界は今、輝いているんだろう。





「幸村」という単語を聞くだけで幸せそうに。
そして嬉しそうに笑う。
幸村にいたってもそうだ。
と」いう言葉を聞くだけで幸せそうに嬉しそうに笑う。







恋は、人をこうも変えるんだ・



















夏のある日。

俺達は練習に追われていた。


全国大会が目の前だからだ。





「悠せんぱーい!が来てますよ!
 弁当忘れたから届けにきたらしいッスよ」



嘘つけ。

どうせそれを口実に幸村でも見て帰ろうっていう寸法だろ。
フェンスの出口まで向かうとが弁当を持って立っていた。




「兄貴、弁当」

、きっかけをやろう」

「は?」




これは、賭け。
あとはお前らにかかっている。


お前らしだいだ、とこっそりに耳打ちした。









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「幸村さん」


声が聞こえて。

振り返るとそこにはちゃんがいた。



「どうしたの?」





あぁ、なんでここに彼女が。
頬が緩んだ。





「兄貴が弁当忘れちゃって・・・。
 それで届けにきたんです」





ああ、悠か。

気を効かせてくれたんだ。

まぁ、彼女がきてくれて嬉しいことに変わりはないけど。








学校に来ても彼女のことだけ目で探して

出会うと抱きしめたい衝動に駆られる。



それほど、俺は彼女に惚れてるんだ。






「ねぇ、ちゃん。
 抱きしめていい?」

「え!?」







慌てふためく彼女の答えなど聞かずに彼女に近づいて抱きしめた。
あぁ、慌ててる。
相変わらず可愛いな。






「あのね、ちゃん。
 このまま聞いてくれる?」

「・・・はい?」







まだ少し戸惑ったように彼女は返事をした。












「あのね。俺、ちゃんのこと、欲しいと思ってる。

 好きなんだ」

「っ!?」











本当に出会ったときより喜怒哀楽が激しい。
そこに惹かれたんだろうね。


きっと。





「それで、よかったら全国大会、見に来て欲しい」

「ぜ、ぜひ行きます!」

「・・それってOKしてくれるってこと?」





少し、密着された体を離して彼女を見ると、顔を真っ赤にして頷いた。







そんな彼女をもっと抱きしめたくて。

さっきよりほんの少し強く抱きしめた。