一緒に歩いていこう










「病院にも桜、あったんですね」

あんまり来ないからしらなかった、とは桜の木を眺めてつぶやいた。





「精市さんはここによく来てたんですか?」
「うーん、ここにずっといたしねぇ」







幸村は空を見上げた。

もそれにつられるように空に目を向けた。






「あの日、すごく空が青くて、皆が帰ってからここに見に来たんだ。
 まるで吸い寄せられるみたいに」



今日みたいな天気だったね、と二人は笑った。









「今日みたいなこんな天気に感謝だね」
「この屋上にもですけどね」











二人で笑う。

この時を過ごせるのは。

この関係があるのは。





ここのおかげ。






私たちはここで出会った。

嬉しいことばかりではないけども。

今、幸せを確かに感じている。






「卒業、おめでとう。精市さん」
「ありがとう」









桜が風に舞った。



ひとつ、キスをして。



それで手を繋いで歩こう。




「高校では全国大会優勝してくださいよ」

「約束するよ」








二人で笑って。

喜んで。



時には悲しくなっても。

辛いことがあっても。



それでもこの手は離さない。



ずっと、二人で歩いていこう。