「いち、に、の、さん!」
掛け声と共に足を踏み出したのはいいものの一歩、二歩と進んだところで地面に近づいた。
「うわ!!」
「ぎゃあ!!」
地面にどた、と鈍い音を立ててと遊戯は盛大に転んだ。
「遊戯、大丈夫?」
「うん、こそ」
遊戯に問い返されはそれの質問にうん、と返事をした。
50メートルなんて一人で走ればあっという間かもしれないが二人で、となるととても長い道のりのように見えた。
体育祭はもう目前に迫っているというのに。
二人は青々と晴れた空を見上げてため息をついた。
二人が練習している二人三脚をすることになったのは遊戯の幼馴染、杏子の頼みからだった。
『遊戯と、二人三脚お願いね』
『『ええ!?』』
杏子からすれば二人が両想いなのを知って故の行動だったのだろうが
それがこんなことになろうとは本人の杏子も、からかっていた城之内も本田も思っていなかっただろう。
そう、忘れていたのだ自身も遊戯に劣らない運動音痴だということに。
立って遊戯に手を差し伸べれば彼もおずおずとその手を取った。
全然進まないね、と50メートル先を見据えて言うと彼もそうだね、と苦笑した。
最下位はさけたい、と二人は決心して練習を始めたのだが今にも挫折しそうになる。
もういいのではないか、とふと思い立つだびにお互いに頭を振る。
『にかっこ悪いとこ見せられないし』
『遊戯にかっこ悪いと思われたら嫌だし』
「さぁ!練習練習!!」
もう一度こっちからね
そう言っては差し出す足を指差して息を吸い込んだ。
いち、に、さん
やったね!ちょっとだけど進んだよ!!
・・・ホントにちょっとだけだけどね・・・。