全て、この世界が壊れてしまえば。
その指の先
名前を呼んで振り返るのは愛しい。
その愛しい彼女の首に、俺の手は触れた。
「ジロー…?」
全てを手に入れたいと願うのはいけない事なんだろうか。
確か、跡部に借りた難しそうな本に書いてあった。
この感情を独占欲っていうって。
「ね、は俺だけのものになるっていうのは嫌?」
俺がいつものジローで聞くとは意味の分からなさそうに顔を歪めた。
歪めた顔も。
どうしたの、と俺の頭を撫でる手も。
地面を歩く足も。
今は俺に向けられている目もココロさえ。
全て俺のものにしてしまえれば―…。
気付けば俺の指はの首を絞めていた。
「っ」
の苦しそうな顔を見て、俺の指はするりと彼女の首から滑り落ちた。
「ごめん、ごめんね」
抱き締めながら誤るとの手は俺の背中をやさしくさすった。
「嫌いになんないで」
の大丈夫だよと言う優しい声にまた、涙が溢れた。